完全攻略 中学化学の出題ランキング



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どんなサイトなの?

POINT1 中学生で習う理科の科学分野が完結できる!
学校の定期試験対策,実力テスト対策,模擬試験対策,入試対策で利用できます。
中学生で習う化学の基礎固めをしたい人に最適です。
POINT2 覚えるポイントが分かりやすい!
覚えるところはオレンジになっているので,赤シートを使って覚えられます。
ポイント整理をよく読んで,赤シートを使って確認しながら進めましょう。
POINT3 化学が苦手な人に最適!
化学が苦手で,基礎の基礎から始めたいという人に最適です。
赤シートでポイントをチェックしながら,何度も繰り返すといいでしょう。
POINT4 記述問題の対策になる!
実力テストや入試で頻出の記述問題は,基本的な語句の意味が質問されます。ですので,基本的な語句の意味が理解できていれば,記述問題も自然とできるようになります。
POINT5 化学は暗記から入るのが基本的な学習方法!
中学化学では,まずは基本用語の暗記から学習します。そして,次に基本パターンの問題を練習します。試験では基本的な用語や基本パターンが多く出題されます。

中学化学の効率的な勉強方法って?

中学化学は暗記科目ですので,次の方法で練習すれば誰でもできるようになります。
その1 基本用語を覚える
中学化学は基本用語の暗記から入るといいでしょう。どの科目についても言えますが,前半部分で出てきた用語でつまづいていると,それ以降学習ができないためです。
その2 化学の流れを覚える
1年生で習う化学,2年生で習う化学,3年生で習う化学を一貫して学習することで,化学の学習の流れを覚えることができます。流れがあれば,学習の効率は高まります。
その3 問題のパターンを覚える 
化学の問題は数学の問題とよく似ています。一定の問題パターンを覚えて,その通りに解きましょう。一見難しそうな問題でも,算数だけで解けてしまうことが多いのが化学です。
その4 実験に関する問題に注目する
理科全般に関することですが,実験に関する問題は出題率が非常に高いです。ですので,実験での注意点や化学反応式は確実に覚えておきましょう。
その5 計算問題は比を使えばいい
化学の計算問題は比を使って計算することが多くあります。ですので,計算問題が出てきたら比で解けないかを最初に考えるといいかもしれません。  

※目次をクリックすると,目的地にジャンプします。
1章 物資の性質 👑入試頻出No.3!

(1)物体と物質 
外見で区別する場合を物体,材料で区別する場合を物質といいます。 
例えば,ガラス製のコップの場合,物体はコップ,物質はガラスになります。


(2)金属と非金属 
金属には次の5つの性質があります。 
電流をよく通す 
をよく伝える 
③たたくと広がる(展性) 
➃引っぱるとのびる(延性) 
➄みがくと特有の光沢がでる(金属光沢) 
金属は,鉄,アルミニウム,銅,銀,マグネシウムなど 
非金属は,ガラス,食塩,ゴム,木,プラスチックなど

(3)有機物と無機物 
炭素を含む物質を有機物といい,燃やすと二酸化炭素が発生します。炭素を含まない物質を無機物といいます。注意点は,二酸化炭素は炭素を含むけど,無機物だということです。

(4)密度とは? 
物質1cm\(^3\)あたりの質量を密度といいます。単位はg/cm\(^3\)。 
密度を求める公式は,\(\dfrac{物質の質量[g]}{物質の体積[cm^3]}\)。 
密度が水より小さい物質は水に浮き,密度が水より大きい物質は水に沈みます。
少し練習をしましょう。

問題1

質量30g,体積8cm\(^3\)の物体の密度を求めなさい。

[解説]\(\dfrac{30}{8}×100=3.75\)
[答え]3.75g/cm\(^3\)

問題2

質量15g,体積9cm\(^3\)の物体の密度を,小数第3位を四捨五入して求めなさい。

[解説]\(\dfrac{15}{9}×100=1.666…\)
[答え]1.67g/cm\(^3\)

問題3

密度2.7g/cm\(^3\)の物体34.2cm\(^3\)の質量を求めなさい。

[解説]\(\dfrac{x}{34.2}=2.7\)より,\(x=2.7×34.2=92.34\)
[答え]92.34g

問題4

密度2.7g/cm\(^3\)の物体185.2gの体積を,小数第3位を四捨五入して求めなさい。

[解説]\(\dfrac{185.2}{x}=2.7\)より,\(x=185.2÷2.7=6.859\)
[答え]6.86cm\(^3\)

(5)実験器具の使い方 
上皿てんびんの使い方!  
水平なところに置き,指針が左右に等しく振れるようにする。  
②物質の質量を測るときは,測りたい物質を先にのせる。
 一定量の物質を測るときは,先に分銅をのせておき,あとから少しずつ加える
 ※薬などの量を測りたいとき  
③測定後は,一方の皿に重ねておく。


メスシリンダーの使い方!
水平なところに置く。  
②目の位置を液面の低い部分に合わせ,10分の1までの目盛りを読み取る。


ガスバーナーの使い方!  
元栓など,すべてのねじが閉まっていることを確認する。  
元栓,コックを開き,火を近づける。 
ガス調節ねじを開いて点火する。  
➃炎の大きさを調節し,空気調節ねじを開き,炎の色を青色にする。  
➄火を消すときは,空気調節ねじガス調節ねじ元栓の順に閉じる。

2章 気体の性質

(1)酸素について

 ・酸素の発生方法は,二酸化マンガン過酸化水素水(オキシドール)を加えます。
  あるいは,過炭酸ナトリウムにお湯を加えると発生します。
 ・酸素は水に溶けにくいので,水上置換法で集めます。
 ・火をつけると,激しく燃える助燃性)。

(2)気体の集め方
 ・水に溶けにくい気体は水上置換法酸素二酸化炭素水素など)
 ・水に溶けて空気より軽い気体は上方置換法アンモニアなど)
 ・水に溶けて空気より重い気体は下方置換法二酸化炭素など)
  ※二酸化炭素は水に少し溶けるので,水上置換法でも下方置換法でも集められます。

(3)二酸化炭素について
 ・二酸化炭素の発生方法は,石灰石うすい塩酸を加えます。
  あるいは,炭酸水素ナトリウムうすい酢酸を加えると発生します。
 ・二酸化炭素は,水に少し溶け,空気より重いので,水上置換法下方置換法で集めます。
 ・水に溶けると酸性になります。
 ・石灰水に通すと白くにごります。

(4)水素について
 ・水素の発生方法は,亜鉛うすい塩酸を加えます。
 ・火をつけると,音をたてて燃える
 ・水素は水に溶けないので,水上置換法で集めます。
 ・燃えるとができます。
 ・気体の中で最も軽い

(5)アンモニアについて
 ・アンモニアの発生方法は,塩化アンモニウム水酸化カルシウムを混ぜて加熱します。
  あるいは,アンモニア水を加熱すると発生します。
 ・アンモニアは水に溶けるので,上方置換法で集めます。
 ・刺激臭があり,空気より軽い
 ・水に溶けるとアルカリ性になります。
 ・フェノールフタレイン溶液が色になります。

(6)その他の気体について
 ・窒素…空気の約78%をしめる気体で,無色無臭,空気より少し軽く,水に溶けにくい
 ・メタン…天然ガスの主成分。
 ・プロパン…ガス燃料として使用。
 ・ヘリウム…空気より軽く,ほかの物質と反応しない。
 ・ネオン…気体に電流を通すと赤く光る。
 ・塩素…消毒薬のようなにおいがあり,水に溶けやすい。漂白殺菌に利用される。毒性がある。
 ・塩化水素…水に溶かすと塩酸になる。毒性がある。
 ・一酸化炭素…ガスの不完全燃焼で発生し,毒性が強い。
 ・硫化水素…卵の腐ったようなにおいがあり,毒性がある。
 ・二酸化窒素…自動車の排気ガスにも含まれ,酸性雨の原因になる。
 ・二酸化硫黄…火山ガスにも含まれ,酸性雨の原因になる。
 ・オゾン…うすい青色で,特有のにおいがある。
        酸素に強い紫外線が当たるとできる。
      地球の大気圏にはオゾン層があり,宇宙からの紫外線から守っている。

3章 水溶液

(1)水溶液とは?

液体に溶けている物質を溶質,溶かしている液体を溶媒といい,あわせて溶液といいます。例えば食塩水の場合,溶質は食塩,溶媒は,溶液は食塩水になります。
溶媒が水の場合,特に水溶液と呼びます。

(2)水溶液の性質って?
水溶液の性質は次の2つです。
①どこも同じ濃さで,時間がたってもこの状態が変わらない。
透明である。

(3)物質の種類
物質は,水や二酸化炭素など,1種類の物質でできているものを純粋な物質(純物質)といい,水溶液のように2種類以上の物質が混ざった物質を混合物といいます。

(4)水溶液の濃さ
濃度(%)=\(\dfrac{溶質の質量[g]}{溶液の質量[g]}×100\)で求めます。
例えば,水80gに食塩20gをとかすときは,\(\dfrac{20}{80+20}×100=20\)%になります。
少し練習をしましょう。
割り切れない場合は,小数第2位を四捨五入して答えましょう。
問題1

100gの水に20gの食塩をとかしたとき,食塩水の濃度を求めなさい。

[解説]食塩水の質量は100+20=120gになります。
なので,\(\dfrac{20}{120}×100=16.66\)。
[答え]16.7%

問題2

5%の食塩水をつくるためには,20gの食塩を何gの水にとかせばいいでしょう。

[解説]食塩水の量を\(x\)gとします。
 \(\dfrac{20}{x}×100=5\)となり,\(x=400\)。
 「食塩水の量=食塩の量+水の量」なので,400-20=380g。
[答え]380g

問題3

5%の食塩水100gに50gの水を加えたときの濃度を求めなさい。

[解説]まず,食塩の量を求めると,\(\dfrac{x}{100}×100=5\)より\(x=5\)。
    なので,濃度は\(\dfrac{5}{150}×100=3.33\)
[答え]3.3%

(5)水に溶ける量は物質によって異なる
100gの水に溶けている限界の質量を溶解度といいます。溶解度は温度によって変化し,水の質量に比例します。
水の温度と物質の溶解度の関係を表したグラフを溶解度曲線といい,限度まで溶けている状態の水溶液を飽和水溶液といいます。

(6)物質の取り出し方
個体の物質を水に溶かしたと,再び取り出すことを再結晶といい,次の2つの方法があります。
①水の温度を下げることで,溶けきれなくなった分を取り出す方法
②水を蒸発させることで,溶けきれなくなった分を取り出す方法
ろ紙を使って,個体と液体を分ける方法をろ過といい,実験の注意点は2つあります。
①液は,ガラス棒に伝わらせて,少しずつ入れる。
②ろうとのあしの長い方を,内壁にうつける

4章 物質の状態変化 👑入試頻出No.4!

(1)状態変化

物質には,固体,液体,気体の3つの状態があり,温度によって変化します。これを物質の状態変化といいます。状態変化すると物質の体積は変わりますが,質量は変わりません。大きくなったり小さくなったりはしますが,全体の重さは変わらないという意味です。

(2)状態が変わるときの温度
固体がとけて液体になるときの温度を融点,液体が沸騰して気体になるときの温度を沸点といい,物質によって決まっています。
例えば,水の融点は0℃,沸点は100℃ですが,エタノールの融点は-115℃,沸点は78℃です。

(3)混合物の融点と沸点
2種類以上の物質が混ざった物質を混合物といいます。例えば,空気,海水,石油などがあります。混合物に対し,水,二酸化炭素,エタノール,塩化ナトリウムなどは純粋な物質(純物質)といいます。
混合物の融点や沸点は,それぞれの融点や沸点が混在するので,決まった値にはなりません

(4)混合液から純粋な液体を取り出す
液体の沸点の差を利用して,純粋な液体を取り出す方法を蒸留といいます。
例えば,水とエタノールの混合液を分けたい場合,加熱すると先にエタノールが気体になり出てきます。その気体を冷やすことで,液体のエタノールを取り出すことができます。

5章 物質の分解

(1)炭酸水素ナトリウムの分解

炭酸水素ナトリウムは分解すると,炭酸ナトリウム二酸化炭素ができます。
物質が別の物質の変化することを化学変化といい,1種類の物質が2種類以上の物質に分かれることを分解といいます。
それぞれの物質の特徴は次のようになります。
・炭酸ナトリウムは白い固体で,水によく溶け,その液体は強いアルカリ性を示すので,フェノールフタレイン溶液を濃い赤色になる。
・水は塩化コバルト紙につけると,色から色に変化する。
・二酸化炭素は石灰水に通すと,色ににごる。
実験上の注意点は次の3点です。
①発生した水が加熱部に流れ,試験官が割れるのを防ぐために試験管の口は少し下げる
②水が試験管に逆流するのを防ぐために,火を消す前にガラス管を水から取り出す

(2)酸化銀の分解
酸化銀は黒い固体で,分解すると酸素に分かれます。
それぞれの物質の特徴は次のようになります。
・銀は色の固体で金属なので,展性延性金属光沢がある。
・酸素にはものを燃やす働きがあるので,火のついた線香を入れると炎を上げて燃える

(3)水の電気分解
電流を流して物質を分解することを電気分解といいます。
水を電気分解すると,陰極から水素,陽極から酸素が発生します。
それぞれの物質の特徴は次のようになります。
・陰極にマッチの火を近づけると,水素が発生しているので音をたてて燃える
・陽極にマッチの火を近づけると,酸素が発生しているので激しく燃える
発生する水素と酸素の体積比は2:1です。

(4)塩化銅水溶液の電気分解
塩化銅は色の固体で,塩化銅を水に溶かすと色の塩化銅水溶液になります。
陰極側にはが付着し,陽極側からは塩素が発生します。
それぞれの物質の特徴は次のようになります。
・銅は色の金属
・塩素は漂白殺菌作用がある。
塩化銅水溶液に電流を流し続けると,青色がうすくなります。これは,水溶液中の塩化銅が銅と塩素に分解され,少なくなるためです。

6章 原子と分子,化学変化と化学反応式 👑入試頻出No.1!

(1)原子と元素

これ以上分けることができない小さいな粒子を原子といい,イギリスのドルトンが発見しています。原子には次に3つの性質があります。
①原子は,それ以上分けることができない。
②原子は,化学変化で種類が変わったり,が変化しない
③原子には,固有の質量大きさがある。
また,物質を構成する原子の種類を元素といい,100種類以上あります。
元素それぞれには記号がありますが,その記号を元素記号といいます。元素記号を化学的性質が似た順に並べた表を周期表といいます。
覚えるべき元素記号は次の12種類です。
①水素…H
②酸素…O
③窒素…N
➃塩素…Cl
➄炭素…C
⑥硫黄…S
⑦銅…Cu
⑧マグネシウム…Mg
⑨ナトリウム…Na
⑩鉄…Fe
⑪カルシウム…Ca
⑫銀…Ag

(2)分子とは?
物質の性質を示す最小の単位を分子といいます。イタリアのアボガドロが発見しています。
少し例を出してみましょう。
・酸素の場合,酸素原子2個結びついて酸素分子になる。
・水の場合,水素原子2個と酸素原子1個が結びついて水分子になる。
・アンモニアの場合,窒素原子1個と水素原子3個が結びついてアンモニア分子になる。
一方,分子にならない物質もあります。
少し例を出してみましょう。
・鉄の場合,鉄原子が集まっている。
・塩化ナトリウム…塩素原子ナトリウム原子同じ数で集まっている。
・酸化銅…酸素原子銅原子同じ数で集まっている。

(3)化学式とは?
物質を元素記号を使って表したものを化学式といいます。
少し例を出してみましょう。
・水素分子は\(H_2\)とし,水素原子が2つあることを表します。
・酸素分子は\(O_2\)とし,酸素原子が2つあることを表します。
・二酸化炭素は\(CO_2\)とし,炭素原子が1つと酸素原子が2つあることを表します。
・アンモニアは\(NH_3\)とし,窒素原子が1つと水素原子が3つあることを表します。
・鉄\(Fe\)は分子にならないのでそのままです。
・酸化銅は\(CuO\)とし,銅原子が1つと酸素原子が1つあることを表します。
・塩化ナトリウムは\(NaCl\)とし,ナトリウム原子が1つと塩素原子が1つあることを表します。
※分子にならない物質は,金属原子が含まれる物質です。ただし,炭素硫黄は除きます。

(4)物質の分類について
1種類の元素からなる物質を単体,2種類以上の元素からなら物質を化合物といいます。
例えば,\(H_2\),\(O_2\),\(N_2\),\(C\),\(Cu\),\(S\)などは単体,\(H_2O\),\(CO_2\),\(NaCl\),\(Ag_2O\),\(NaHCO_3\)などは化合物です。

(5)化学反応式
化学変化を,化学式を使って表したものを化学反応式といいます。
化学反応式は,左に反応前,右に反応後の化学式を右矢印でつなぎます。
 例 反応前 → 反応後
反応前と反応後で原子の種類が合うように調整します。
 例 水の電気分解を表す化学反応式
   ①\(H_2O→H_2+O_2\) …水は水素と酸素に分解する
   ②\(2H_2O→H_2+O_2\) …反応前の酸素原子が少ないので,水分子を2倍する
   ③\(2H_2O→2H_2+O_2\) …反応後の水素原子が少ないので,水素原子を2倍する
   これで反応前と反応後の原子の種類がそろったので完成です。
よく出る化学反応式5つは覚えておきましょう!
①水の電気分解 \(2H_2O→2H_2+O_2\)
②水素と酸素から水ができる \(2H_2+O_2→2H_2O\)
③塩化銅の分解 \(CuCl_2→Cu+Cl_2\)
➃酸化銀の分解 \(2Ag_2O→4Ag+O_2\)
➄炭酸水素ナトリウムの分解 \(2NaHCO_3→Na_2CO_3+H_2O+CO_2\)

7章 いろいろな化学変化 👑入試頻出No.2!

(1)鉄と硫黄が結びつく化学変化

 鉄と硫黄を加熱して化合させると硫化鉄になります。
 これを化学反応式にすると,\(Fe+S→FeS\)です。
 鉄と硫黄の混合物にうすい塩酸を加えると水素が発生するが,硫化鉄にうすい塩酸を加えると硫化水素が発生します。また,鉄と硫黄の混合物に磁石を近づけると磁石につきますが,硫化鉄に磁石を近づけてもつきません
 ※硫化水素は卵の腐ったようなにおいがします。

(2)酸化
 物質が酸素と結びつくことを酸化といい,できた物質を酸化物といいます。酸化物ができるときは熱や光を出しますが,これを燃焼といいます。
 酸化の例を出してみましょう。
銅の酸化 
 銅+酸素→酸化銅 \(2Cu+O_2→2CuO\)
炭素の燃焼 
 炭素+酸素→二酸化炭素 \(C+O_2→CO_2\)
水素の燃焼
 水素+酸素→水 \(2H_2+O_2→2H_2O\)
マグネシウムの燃焼
 マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム \(2Mg+O_2→2MgO\)

(3)還元
酸化物から酸素をうばう化学変化を還元といい,2種類の方法があります。
①炭素による還元
例:酸化銅の炭素による還元
  \(2CuO+C→2Cu+CO_2\)
      酸化銅は還元してに,炭素は酸化して二酸化炭素になります。
②水素による還元
例:酸化銅の水素による還元
  \(CuO+H_2→Cu+H_2O\)
      酸化銅は還元してに,水素は酸化してになります。

(4)化学変化と熱
熱が発生する化学反応を発熱反応といい,携帯かいろ,メタンやプロパン,石油などの有機物の燃焼などがあります。逆に,熱を吸収する化学反応を吸熱反応といい,冷却パック,水酸化バリウム塩化アンモニウムを混ぜたときの反応などがあります。
※携帯かいろは,鉄粉,活性炭,食塩水を入れて混ぜると温度が上がってきます。

8章 化学変化と物質の質量

(1)化学変化の前後の質量について

沈殿ができる化学変化
 ①うすい硫酸にうすい水酸化バリウム水溶液を加えると,白い沈殿ができます。
  これを化学反応式にすると,\(H_2SO_4+Ba(OH)_2→BaSO_4+2H_2O\)です。
  白い沈殿の正体は\(BaSO_4\)硫酸バリウム)です。
 ②うすい硫酸にうすい塩化バリウム水溶液を加えると,白い沈殿ができます。
  これを化学反応式にすると,\(H_2SO_4+BaCl_2→BaSO_4+2HCl\)です。
  白い沈殿の正体は\(BaSO_4\)硫酸バリウム)です。
気体が発生する化学変化
 ①炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸を加えると,二酸化炭素が発生します。
  これを化学反応式にすると,\(NaHCO_3+HCl→NaCl+H_2O+CO_2\)です。
 ②炭酸カルシウムにうすい塩酸を加えると,二酸化炭素が発生します。
  これを化学反応式にすると,\(CaCO_3+2HCl→CaCl_2+H_2O+CO_2\)です。
沈殿ができる反応も気体が発生する反応も,反応前後で質量は変化しません。この関係を質量保存の法則といいます。

(2)銅とマグネシウムの酸素との化合比
銅と酸素は4:1,マグネシウムと酸素は3:2で化合します。
なので,銅と酸化銅は4:5,マグネシウムと酸化マグネシウムは3:5と考えられます。
例えば,2.8gの銅がすべて酸化すると3.5gの酸化銅に,1.5gのマグネシウムがすべて酸化すると2.5gになります。
少し練習をしましょう。
問題1

1.8gのマグネシウムには最大何gの酸素が化合できますか。

[解説]
マグネシウム:酸素=3:2なので,3:2=1.8:\(x\)を解きましょう。
答え 1.2g

問題2

3.0gの酸化マグネシウムに含まれているマグネシウムの質量を求めましょう。

[解説]
酸化マグネシウム:マグネシウム=5:3なので,5:3=3.0:\(x\)を解きましょう。
答え 1.8g

問題3

1.2gの銅と1.0gの酸素を反応させると,何gの酸素があまりますか。

[解説]
銅:酸素=4:1なので,4:1=1.2:\(x\)を解くと,\(x=0.3g\)の酸素が必要だと分かります。なので,1.0-0.3=0.7gはあまります。
答え 0.7g

問題4

2.1gのマグネシウムと1.2gの酸素が反応したとき,どちらが何gあまりますか。

[解説]
マグネシウム:酸素=3:2なので,3:2=2.1:\(x\)を解くと,\(x=1.4g\)の酸素が必要だと分かります。酸素は1.2gしかないので,あまるのはマグネシウムになります。
ここで,3:2=\(x\):1.2を解くと,\(x=1.8g\)のマグネシウムが必要だと分かります。
なので,2.1-1.8=0.3。
答え 0.3g

問題5

5.0gの銅を加熱したら5.8gになった。反応していない銅の質量を求めなさい。

[解説]
酸素の質量は5.8-5.0=0.8gなので,酸素0.8gと化合する銅の質量を求めます。
4:1=\(x\):0.8を解いて,\(x=3.2g\)が化合しています。
なので,反応していない銅の質量は5.0-3.2=1.8。
答え 1.8g

(3)酸化銅の還元の問題
問題1

酸化銅4.0gと完全に反応する炭素の量は0.3gです。そのときにできた銅の質量は3.2gです。発生した二酸化炭素の量を求めなさい。

[解説]
化学反応式をかいて考えます。
\(2CuO+C→2Cu+CO_2\)
質量保存の法則より,\(2CuO+C=2Cu+CO_2\)なので,4.0+0.3=3.2+\(x\)。
これを解いて,\(x=1.1\)g。
答え \(1.1g\)

問題2

酸化銅6.00gと炭素0.60gの混合物を加熱した場合,あまる炭素の質量を求めよ。ただし,酸化銅と炭素が完全に反応する化合比は40:3とする。

[解説]
酸化銅6.00gと完全に反応する炭素の質量を求めます。
6.00:\(x\)=40:3なので,\(x=0.45\)gが完全に反応します。つまり,0.60-0.45=0.15gは反応せずに残っています。
答え \(0.15g\)

(4)気体の発生に関する問題
問題1

うすい塩酸Aが100cm\(^3\)あり,0.3gの亜鉛と完全に反応し90cm\(^3\)の気体が発生します。このとき,次の問いに答えなさい。
(1)うすい塩酸A100cm\(^3\)に,0.2gの亜鉛を加えたときの気体の体積を求めよ。
(2)うすい塩酸A200cm\(^3\)と過不足なく反応する亜鉛の質量を求めよ。
(3)(2)のときに発生した気体の体積を求めよ。

[解説]
(1)うすい塩酸に加える亜鉛の質量と,発生する気体の質量は比例します。
なので,0.3:90=0.2:\(x\)。これを解いて,\(x=60\)。
 答え \(60cm^3\)
(2)うすい塩酸の体積が2倍になると,過不足なく反応できる亜鉛の量も2倍になります。
 答え 0.6g
(3)うすい塩酸の体積が2倍になると,発生する気体の体積も2倍になります。
 答え 180cm\(^3\)

9章 水溶液とイオン

(1)電解質と非電解質

水に溶けたとき電流が流れる物質を電解質,電流が流れない物質を非電解質といいます。
・電解質…塩化ナトリウム水酸化ナトリウム塩化銅塩化水素など
・非電解質…砂糖エタノールなどは
電解質の水溶液を電気分解すると,次のようになります。
①塩酸
 \(2HCl→H_2+Cl_2\)
 ※陽極に塩素が発生し,陰極に水素が発生する
②塩化銅水溶液
 \(CuCl_2→Cu+Cl_2\)
 ※陽極に塩素が発生し,陰極にが付着する
 
(2)原子とイオン
・原子は,原子核電子からできています。原子核は+の電気を帯びた陽子と,電気を帯びていない中性子からなり,原子の種類は陽子の数によって決まります。また,電子は原子核のまわりにあり,-の電気を帯びています。
・同じ元素のうち,中性子の数が異なる原子を同位体といいます。
・原子が電子を失ったり受け取ったりしたものをイオンといい,次の2種類があります。
 ①陽イオン…原子が電子を失いの電気を帯びたもの
 例・水素イオン \(H^{+}\) …電子を1個捨てている(1価の陽イオン
  ・ナトリウムイオン \(Na^{+}\) …電子を1個捨てている(1価の陽イオン
  ・銅イオン \(Cu^{2+}\) …電子を2個捨てている(2価の陽イオン
  ・亜鉛イオン \(Zn^{2+}\) …電子を2個捨てている(2価の陽イオン
  ・アンモニウムイオン \(NH_4^{+}\) …電子を1個捨てている(1価の陽イオン
 ②陰イオン…原子が電子を受け取りの電気を帯びたもの
  ・塩化物イオン \(Cl^{-}\) …電子を1個もらっている(1価の陰イオン
  ・水酸化物イオン \(OH^{-}\) …電子を1個もらっている(1価の陰イオン
  ・硫化物イオン \(S^{2-}\) …電子を2個もらっている(2価の陰イオン
  ・炭酸イオン \(CO_3^{2-}\) …電子を2個もらっている(2価の陰イオン
  ・硫酸イオン \(SO_4^{2-}\) …電子を2個もらっている(2価の陰イオン

(3)塩酸と塩化銅水溶液の電気分解とイオン
電解質が水にとけて,イオンに分かれることを電離といいます。
陰とは-,陽とは+のことです。
※陰極はー極,陽極は+極,陰イオンはーイオン,陽イオンは+イオン
・塩酸の電気分解について
 \(HCl→H^++Cl^-\)
 ①陽極のようす
  陽極には陰イオンである塩化物イオンが引き寄せられる。
 →陽極で電子を1個失って塩素原子になる。
 →塩素原子が2個結びついて塩素分子となり気体として発生するが,多くは水にとける
 ②陰極のようす
  陰極には陽イオンである水素イオンが引き寄せられる。
 →陰極で電子を1個受けとって水素原子になる。
 →水素原子が2個結びついて水素分子になり,気体として発生する。
・塩化銅の電気分解について
 \(CuCl_2→Cu^{2+}+2Cl^-\)
 ①陽極のようす
  陽極には陰イオンである塩化物イオンが引き寄せられる。
 →陽極で電子を1個失って塩素原子になる。
 →塩素原子が2個結びついて塩素分子となり気体として発生するが,多くは水にとける
 ②陰極のようす
  陰極には陽イオンである銅イオンが引き寄せられる。
 →陰極で電子を2個受けとって銅原子になる。
 →陰極の表面に付着する。

10章 電池とイオン

金属の種類によってイオンへのなりやすさは異なります。これをイオン化傾向といいます。

\(Mg, Zn, Cu\)の場合,\(Mg>Zn>Cu\)になります。
※\(Mg\)はイオンになりやすく,\(Cu\)はイオンになりにくいという意味です。
このしくみを利用したものに電池があります。電池とは,物質が持っている化学エネルギー電気エネルギーに変える装置ですが,いろいろな種類があります。
(1)化学電池
一般的に電池と呼ばれるているのが化学電池で,材料となるのは2種類の金属板電解質です。例えば亜鉛版と銅板,うすい塩酸を使って電池を作ってみると,次のようになります。
①亜鉛板のようす
 亜鉛が電子を捨てて亜鉛イオンになる
 化学反応式…\(Zn→Zn^{2+}+2e^-\) ※\(e^-\)は電子
②銅板のようす
 銅板が電子を受けとり,水溶液中に出す
 →水溶液中の水素イオン電子から水素が発生する
 化学反応式…\(2H^++2e^-→H_2\) 
電子を捨てた亜鉛板が極になり,電子を受け取った銅板が極になります。
※イオン化傾向を参考にしましょう。

(2)いろいろな電池
電池には充電できない一次電池,充電できる二次電池,水素と酸素が結びつくときに発生する電気を利用する燃料電池があります。燃料電池はが発生するだけなので,環境への悪影響が少ないです。

11章 酸・アルカリとイオン

(1)酸性・中性・アルカリ性の性質とは?

酸性の水溶液の性質
 ①リトマス紙の色が青から赤になる
 ②BTB溶液が黄色になる
 ③マグネシウムを入れると水素が発生する
 例:塩酸,硫酸,硝酸,酢酸,炭酸水
中性の水溶液の性質
 ①BTB溶液の色が緑色になる
アルカリ性の水溶液の性質
 ①リトマス紙の色が赤から青になる
 ②BTB溶液が青色になる
 ③フェノールフタレイン溶液が赤色になる

(2)酸・アルカリとイオン
水のとかしたときに水素イオンができる物質を,水酸化物イオンができる物質をアルカリといいます。少し例を出してみます。
塩酸の場合
 \(HCl→H^++Cl^-\)となり,\(H^+\)があるので酸になります。
水酸化ナトリウム水溶液の場合
 \(NaOH→Na^++OH^-\)となり,\(OH^-\)があるのでアルカリになります。
水溶液の酸性,アルカリ性の強さはpHで表せます。pHは7が中性,0に近づくほど酸性度が強く,14に近づくほどアルカリ度の強さを示します。pHメーターやpH試験紙で調べることができます。

(3)中和とは?
酸とアルカリを混ぜたとき,たがいの性質を打ち消し,ができる反応を中和といいます。少し例を出してみます。
塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜた場合
 \(HCl→H^++Cl^-\)…①
 \(NaOH→Na^++OH^-\)…②
 ①②より,\(Cl^-+Na^+→NaCl\)…塩(塩化ナトリウム)
      \(H^++OH^-→H_2O\)…水
 塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜると,塩化ナトリウム)とができます。
硫酸と水酸化バリウムを混ぜた場合
 \(H_2SO_4→2H^++SO_4^{2-}\)…③
 \(Ba(OH)_2→Ba^{2+}+2OH^{-}\)…➃
 ③➃より,\(SO_4^{2-}+Ba^{2+}→BaSO_4\)…塩(硫酸バリウム)
      \(2H^++2OH^-→2H_2O\)…③水
 硫酸と水酸化バリウムを混ぜると,硫酸バリウム)とができます。
※中和で水が発生すると発熱発熱反応)します。

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