中学地学の整理

1.気象の観測

雲の形は大きく層雲,積雲,巻雲の3つに分けることができます。
層雲は一面に水平方向に広がる雲,積雲は垂直に発達した雲,巻雲は筋状の雲のことです。


天気は雲量によって決まります。空全体の雲量が0~1割では快晴,2~8割では晴れ,9~10割では曇り,雨が降ってきたら雨となる。天気記号は次のようになります。
気温を測るには温度計を使い,注意点は次の3点です。
直射日光が当たらない場所に設置する
②温度計の球部に空気をふれさせる
③目盛りを正しく読み取る
百葉箱の設置場所は,直射日光が当たらない,空気の流れをよくする工夫などがされています。
また,アメダスは地域気象観測システムの略で,気温,風向,風力などの情報を無人の観測所で集計するシステムのことです。


空気の湿りぐあいのことを湿度といいます。湿度を測るには乾球温度計湿球温度計の示度の差と湿度表から読み取ります。
大気による圧力を気圧または大気圧といい,気圧を測るには気圧計を使います。
風向は風の吹いてくる方向を16方位で,風力は風速(m/s)か,0~12の13段階に分かれている風力階級で示します。
基本的に,晴れた日は午後2時ごろに気温が最も高くなります。気圧が下がっててくると天気が悪くなることが多いです。

2.霧や雲の発生

地表の水は太陽の熱で蒸発しています。このため,空気中にはいつも水蒸気が含まれますが,空気中に含むことができる量は温度によって決まります。空気\(1m^3\)に含むことができる最大の水蒸気量を飽和水蒸気量といいます。空気中の水蒸気が凝結して水滴になるときの温度を露点といい,空気中の水蒸気は飽和状態になっています。露点を調べる方法は,氷水を入れたコップの表面がくもり始めたときの温度を調べます。また,湿度は空気\(1m^3\)に含まれている水蒸気の量が,その気温での飽和水蒸気量の何%かで表します。
\(湿度[\%]=\dfrac{空気1m^3に含まれる水蒸気量[g/m^3]}{その気温での飽和水蒸気量[g/m^3]}×100\)




露点になることで,露,霜,霧が発生することがあります。
とは地表付近の気温が露点以下で,空気中の水蒸気の一部が凝結して小さな水滴になったものです。
とは地表付近の気温が露点以下で,地面などに直接小さな氷の粒になったものです。
とは地表付近の気温が露点以下で,空気中に小さな水滴となって浮かんでいるものです。

一方,雲はあたたまって上昇した空気のかたまりが,気圧が低い上空に行くことで膨張することで気温が下がります。さらに上昇して露点に達すると水蒸気が凝結して水滴になります。

<雲のでき方を確認する実験>
①ピストンを急に引くと温度が下がり,フラスコないがくもる
②ピストンを急に押すと温度が上がり,フラスコ内のくもりは消える


雲をつくっている水滴や氷の粒が成長して大きくなると,上昇気流で支えきれなくなり落下します。その途中で,氷がすべてとけて水滴になったものが,とけなかったものをといいます。地上に降ってくる雨を降雨,雪を降雪,あわせて降水といいます。
地球上の水は,気体・液体・固体と形を変えながら,海→大気中→地上→地中のように太陽エネルギーによって循環しています。

湿度表についての問題
湿度表を見て次の湿度を答えよ。

(1)乾球28℃,湿球25℃
(2)乾球28℃,湿球26.5℃
(3)乾球28℃,湿球28℃
(4)乾球25℃,湿球23℃
(5)乾球30℃,湿球26.5℃

[解答]
(1)77%
(2)88%
(3)100%
(4)84%
(5)75%

飽和水蒸気量についての問題
次の表を見て湿度を求めよ。小数第一位を四捨五入すること。


(1)気温28℃,水蒸気量17.3\(g/m^3\)
(2)気温23℃,水蒸気量17.3\(g/m^3\)
(3)気温20℃,水蒸気量17.3\(g/m^3\)
(4)気温30℃,水蒸気量9.7\(g/m^3\)

[解答・解説]
(1)\(\dfrac{17.3}{27.2}×100=63.6...≒\boldsymbol{64\%}\)
(2)\(\dfrac{17.3}{20.6}×100=83.9...≒\boldsymbol{84\%}\)
(3)\(\dfrac{17.3}{17.3}×100=100≒\boldsymbol{100\%}\)
(4)\(\dfrac{9.7}{30.4}×100=31.9...≒\boldsymbol{32\%}\)

水蒸気の凝結についての問題
次の曲線は,気温と飽和水蒸気量の関係を表しています。次の問いに答えよ。


(1)気温が下がったとき,露点がもっとも高いのはA~Dのどれか。
(2)15℃まで下がっても,水蒸気が水滴にならないのはA~Dのどれか。
(3)もっとも湿度が低いのは,A~Dのどれか。

[解答・解説]
(1)露点とは水蒸気が水滴になる温度のこと。
  Aは10℃,BとCは約16℃,Dは約26℃なので,\(\boldsymbol{D}\)
(2)(1)より,\(\boldsymbol{A}\)
(3)20℃の飽和水蒸気量は約17\(g/m^3\),30℃の飽和水蒸気量は約30\(g/m^3\)とします。
  Aの湿度は\(\dfrac{10}{17}×100≒59%\)
  Bの湿度は\(\dfrac{15}{17}×100≒88%\)
  Cの湿度は\(\dfrac{15}{30}×100≒50%\)
  Dの湿度は\(\dfrac{25}{30}×100≒83%\)
  なので,もっとも湿度が低いのは,\(\boldsymbol{C}\)

大気中の水蒸気量と水滴の量についての問題
次の表は,A~Dの部屋の空気の温度と水蒸気量を示している。また,グラフは気温による飽和水蒸気量を示している。


次の問いに答えよ。 (1)飽和水蒸気量が最も大きいのは,A~Dのどの部屋の空気か。
(2)湿度がもっとも低いのは,A~Dのどの部屋の空気か。
(3)A~Dの部屋の空気を20℃まで下げるとき,それぞれ部屋全体で約何\(g\)の水滴ができるか。次から選びなさい。水滴が発生しない場合は「なし」と答えなさい。ただし,どの部屋の空気の量も\(20m^3\)とする。
  ア 20g  イ 40g  ウ 100g  エ 120g  オ 140g

[解答・解説]
(1)飽和水蒸気量は温度が高いほど多くなるので,\(\boldsymbol{D}\)
(2)25℃の飽和水蒸気量を24\(g/m^3\),32℃の飽和水蒸気量を34\(g/m^3\),33℃の飽和水蒸気量を36\(gm^3\)とします。
  部屋Aの湿度は,\(\dfrac{15}{24}×100≒63\%\)
  部屋Bの湿度は,\(\dfrac{19}{24}×100≒79\%\)
  部屋Cの湿度は,\(\dfrac{20}{34}×100≒59\%\)
  部屋Dの湿度は,\(\dfrac{25}{36}×100≒69\%\)
  なので,湿度がもっとも低い部屋は,\(\boldsymbol{C}\)
(3)20℃の飽和水蒸気量を18\(g/m^3\)とする。
  部屋Aは20℃まで温度を下げても露点に達しないので\(\boldsymbol{なし}\)
  部屋Bは20℃まで温度を下げると1\(g/m^3\)の水滴が出るので,部屋全体では\(1g/m^3×20m^3=20g\)になるので\(\boldsymbol{ア}\)
  部屋Cは20℃まで温度を下げると2\(g/m^3\)の水滴が出るので,部屋全体では\(2g/m^3×20m^3=40g\)になるので\(\boldsymbol{イ}\)
  部屋Dは20℃まで温度を下げると7\(g/m^3\)の水滴が出るので,部屋全体では\(7g/m^3×20m^3=140g\)になるので\(\boldsymbol{オ}\)
  

3.気圧と風

大気の重さによる圧力を気圧または大気圧といい,地表面での気圧の大きさは1013\(hpa\)です。これを1気圧といいます。また,hPaの読み方はヘクトパスカルです。
気圧の等しい地点をなめらかに結んだ曲線を等圧線といい,4\(hPa\)ごとに引き,20\(hPa\)ごとに太い線で引きます。まわりより気圧が高いところを高気圧,低いところを低気圧といいます。この高気圧や低気圧が分布しているようすを気圧配置といい,2つの高気圧にはさまれた気圧の低い部分を気圧の谷といいます。ここに低気圧が発生します。高気圧の中心付近では下降気流,低気圧の中心付近では上昇気流が発生します。また,風は気圧の高い方から低い方に向かって吹くので,地球の自転の関係から,北半球では少しにそれます。上昇気流付近では天気が悪く,下降気流付近では天気がよくなります。
等圧線は間隔が狭いほど気圧の差が大きくなるので,風は強くなります。
日中は,海上より陸の方が温度が高いので,海から陸へ向かって風が吹きます。これを海風といいます。逆に,夜間は,海上より陸の方が温度が低いので,陸から海へ向かって風が吹きます。これを陸風といいます。

4.前線と天気の変化

性質の異なる空気のかたまりを気団といいます。気団同士がぶつかると,その間に境界面である前線面ができます。前線面と地面が交わっているいる部分を前線といいます。
あったかい空気が冷たい空気にぶつかってできる前線を温暖前線といい,冷たい空気の上にはい上がるように前線が進みます。温暖前線が近づいてくると,乱層雲に覆われ,通過するときには弱い雨長時間広い範囲に降り続きます。通過後は天気が回復し気温が高くなります。
冷たい空気があったかい空気の下にもぐりこんでできる前線を寒冷前線といい,温かい空気をおし上げながら進みます。寒冷前線付近では積乱雲が発生し,通過後は激しい雨が降り出します。通過するときは強い雨短時間に,狭い範囲に降ります。通過後は天気は回復しますが,気温は急激に下がります。風向きは南寄りから寄りに変わります。

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